ここではドラマ「この世界の片隅に」で主人公・すずの夫・周作が徴兵されるのかについて紹介しています。

文官である北條周作(松坂桃李)と父親の円太郎(田口 トモロヲ)は徴兵されるのでしょうか?

原作ではどのように描かれているのか、また「徴兵の条件」についても合わせて紹介したいと思います。

目次


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原作で周作や周作の父親は徴兵される?

まず周作の徴兵についてですが、昭和20年(1945年)の5月に今までの仕事である「文官」から「武官」に転官しています。

強制的にではありますが、「転官」であって「徴兵」ではありません。

ちなみに「文官」とは、主に書記や事務方の仕事をする人たちのことで、現在でいうと書記官や行政官といった国家公務員です。

逆に「武官」とは、いわゆる「軍人」のことで、陸海軍の下士官以上の人たちのことを指します。

「武官」には制服があるので、「制服組」とも呼ばれます。

転官された時の階級は、「一等兵曹」になっています。

「文官」の時は「三等判任官」で、扱いとしてはそのままスライドで「兵曹」の階級になっているようです。



昭和20年の2月に軍内部の法令改正で、同年、5月15日から「文官」は「武官(下士官)」への転官が定められました。

このことで、周作は「海兵団」で軍事教練を受けています。

終戦後の昭和20年10月に占領軍に抵抗する「反乱」を制圧するために「大竹海兵団」に所属し、徳山(山口県)へ行きます。


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つぎに円太郎の「徴兵」についてですが、「徴兵」される年齢(30代後半)をこえているため、余程の例外がない限りは「徴兵」されることはありません。

もし「日本全土での陸上戦」となった場合は「義勇兵役法」で、本来は「徴兵」されない年齢の人たちも「徴兵」されていたかも知れません。

ちなみに「義勇兵役法」は、昭和20年6月22日に公布、即日施行し、10月24日をもって廃止されました。


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徴兵の条件って?

まず徴兵制度について説明すると、国民に対して義務として一定期間、強制的に兵役につかせることをいいます。

「懲役制度」は、1873年から国民の義務として国民皆兵を目指す「徴兵令」が出されました。

さらに昭和2年(1927年)の4月に公布され同年12月から施行されたのが「兵役法」。

これは改正するときに「徴兵令」から名称変更となりました。



国民の男子は満20歳(1943年からは19歳)に受ける徴兵検査によって身体能力別に甲-乙-丙-丁-戊の5種類に分けられました。

甲は最も健康で優れた体格を持つものとされ、丙までが合格基準で、丁徴兵に不適格な身体である場合、戊は病気療養中に付き翌年に再検査という意味でした。

戦争中は甲から順次徴兵されていったようです。

兵は「現役・予備役・後備兵役」の3つ分かれていて、陸軍は現役2年・現役終了後に予備役5年4か月・常備兵役終了後に後備兵役10年(通算17年4か月)の兵役期間があります。

海軍は、現役3年・現役終了後に予備役4年・常備兵役終了後に後備兵役5年(通算12年)となっています。

「予備役以降」は通常の生活を普段は行い、必要な時に軍に戻るという人たちのことを指します。

全て終了している人たち、もしくは適齢を過ぎている人は基本的に徴兵されることはありません。



しかし、昭和20年6月に施行された特例法の「義勇兵役法」では、15歳以上から60歳以下の男子および、17歳以上から40歳以下の女子に義勇兵役を課します。

そして必要に応じて「国民義勇戦闘隊」に編入できることとし、年齢制限外の者も志願することができました。

この法令のため、「沖縄戦」では17歳以下の若者も実戦に参加して犠牲になっています。


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周作の徴兵についてまとめ

ドラマ「この世界の片隅に」で主人公・すずの夫・周作が徴兵されるのかについて紹介しました。

原作では、周作と円太郎は「徴兵」されて命を落とすことはありませんでした。

ドラマ「この世界の片隅に」のストーリー展開はまだ分かりませんが、円太郎も無事に生き残ってもらいたいです。